「青が好きなのに、思い通りの青が作れない…」
そんな経験はありませんか?
青は自然や感情を表現する上で欠かせない色ですが、一口に「青」と言っても、空の青、海の青、夜の青など、バリエーションは無限大。
しかし絵の具で理想の青を再現するのは、初心者にとって意外と難しいものです。
この記事では、青をつくるにはどうしたらいい?という疑問に、基本知識から具体的な混色レシピ、水彩・食紅での応用まで、青色作りのすべてを網羅した保存版マニュアルです。
あなたの作品に深みと魅力を与える、理想の「青」をつくる参考になりましたら幸いです。
青色の作り方:基本とテクニック
青色を作るために必要な色の知識
まず大前提として、青は「三原色(赤・青・黄)」の一つ。
つまり、厳密には「青そのもの」は他の色から作れません。
ただし、青に近い色は混色で再現可能で、そこからさまざまな青系を展開できます。
三原色と補色の理解
色の世界では、補色の理解がとても重要です。
青の補色はオレンジ。
青に少量のオレンジを加えると、彩度が落ちた「くすんだ青」や「ナチュラルブルー」を表現できます。
混色の基本テクニック
初心者にありがちなミスは「たくさん混ぜすぎる」こと。
混ぜるほど色は濁ります。ポイントは、少量ずつ慎重に混ぜること。
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青系を作るには「青を基準」にして足していく。
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色味を見ながら、使う水の量も調整。
青の明度と彩度の調整方法
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明度(明るさ)を上げたい → 白(チタニウムホワイト)を少しずつ加える
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彩度を落としたい → 補色(オレンジや茶)をほんの少し加える
青色を作るには何色を使うのか?
青は何色で作れる?
純粋な青は三原色なので作れませんが、以下のような組み合わせで青に近い色を作ることは可能です。
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紫(赤+青)+緑(青+黄) → 中間的な青緑・青紫
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黒+白+緑や紫 → グレイッシュブルー
青色を作る具体的なレシピ
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紫+緑(鮮やか系)
→ 比率を1:1に近づけると青系に。やや濁るので白を加えて調整。 -
白+黒+緑(くすみ系)
→ ペイングレーのような落ち着いた青に。 -
赤+シアン(プリンター用インク的レシピ)
→ 鮮やかな青〜青紫が作れる。
混ぜる割合による色合いの変化
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緑が強いとターコイズ系
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赤が強いと紫みの青(インディゴ)
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白を多めにするとパステルブルー
青の種類とその特徴
名前 | 特徴 | 用途例 |
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ウルトラマリン | 明るく深い | 空、布、海 |
コバルトブルー | やや緑み、透明感 | 水、空、衣服 |
セルリアンブルー | 淡くくすみがち | 壁、影、氷 |
プルシャンブルー | 暗く重厚 | 夜空、陰影、遠景 |
水彩での青色作りの方法
水彩画における青の表現は、水分量のコントロールと色の重なりで無限に広がります。
「青一色」でも、にじみ・かすれ・透明感の変化でまったく違う印象に仕上がるのが水彩の魅力です。
水彩絵の具の基本:透明水彩と不透明水彩
まず、水彩には2種類あります。
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透明水彩(トランスペアレント)
→ 下地が透ける/重ね塗りで深みが出る/発色が繊細 -
不透明水彩(ガッシュ)
→ 白が混ざっていて隠ぺい力が強い/ポスターやイラストに向いている
青の深みや透明感を表現したい場合は、透明水彩がベスト。
基本の青:パレットに揃えるべき3色
水彩で「青色の幅」を広げるには、以下の青系を揃えるのがおすすめです。
色名 | 特徴 | 主な用途 |
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ウルトラマリン | 赤みがかった青/深み | 影、水、空、人物の陰影 |
セルリアンブルー | 明るく緑寄り/ややにごり感 | 空、氷、水面の反射 |
プルシャンブルー | 暗い青/黒っぽく重厚 | 夜景、遠景、濃い影 |
この3色を単体・混色・重ね塗りで使いこなすことで、青だけでグラデーションや遠近感を表現できます。
透明感のある青を作るには?
水彩ならではの技法として、「透明感」は命ともいえるポイントです。
テクニック①:にじみを活かす
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紙をあらかじめ湿らせておく(ウェット・オン・ウェット)
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青をのせたあと、他の色や水を垂らして自然なグラデをつくる
テクニック②:塗り重ねで深みを出す
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1層目:セルリアンブルー(明るくベースに)
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2層目:ウルトラマリン(中間のトーン)
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3層目:プルシャンブルー(深みや奥行きを出す)
※ 各層は完全に乾かしてから次を塗るのが基本
混色で表情豊かな青を作る方法
単色でなく、混色で“狙った青”を作るのが上達への近道です。
青 × 黄 → ターコイズ〜グリーンブルー
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セルリアンブルー + レモンイエロー = さわやかな海の青
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ウルトラマリン + カドミウムイエロー = くすんだ青緑
青 × 赤 → 青紫〜ナイトブルー
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ウルトラマリン + マゼンタ = 夕暮れの空のような深紫
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プルシャンブルー + カーマイン = ドラマティックな夜空
青 × 黒 or セピア → 重厚な青グレー
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プルシャンブルー + 黒 = 暗く落ち着いた背景に最適
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青にセピアを混ぜると「クラシックなヨーロッパ調」の色味に
水彩独自の調整:リフトとぼかし
リフト(色を抜くテクニック)
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柔らかい筆やティッシュで濡れた状態の絵の具を吸い取る
→ 光が当たったような表現や、雲・波のハイライトに最適
ぼかし
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グラデーションにしたい部分では、水だけを筆に含ませて境界線を溶かす
→ にじみ効果で自然な空や水の移ろいを演出
水彩で描く「青」のアイデア例
モチーフ | 使用青色 | 演出ポイント |
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朝の空 | セルリアン + ウルトラマリン | 明暗のグラデーションで広がりを演出 |
夜の街 | プルシャンブルー + 紫 | 白のリフトでネオンや光を表現 |
海の底 | ターコイズブルー + 黒 | 深さを重ね塗りとにじみで表現 |
雪山 | ウルトラマリン + 白 + セピア | 陰影に青を使うと立体感が増す |
青色を使った絵画作品のアイデア
青色をテーマにした作品作り
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青い森、夜の街、氷の世界、夏空 など「青」中心の構図
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モノクロ+青で印象的なワンポイント演出も効果的
青色を用いたデザインテクニック
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寒色=沈静効果・信頼感・清潔感
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ロゴや背景に使うと洗練された印象に
青色のインパクトを活かす方法
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補色のオレンジや赤と対比させて、青を主役に引き立てる
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彩度と明度のコントラストを意識してメリハリを出す
青色の組み合わせで生まれる印象
組み合わせ | 印象 | 使用例 |
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青 × 白 | 清潔・誠実 | 医療、デザイン |
青 × 黒 | クール・モダン | IT系、広告 |
青 × 黄色 | ポップ・知的 | 教育、SNSアイコン |
まとめ
青色は、感情・雰囲気・ストーリーを自在に操ることができる奥深い色です。
今回紹介したテクニックを活かせば、初心者でもプロのような青を表現できるようになります。
この記事が、あなたの作品作りの“青い道しるべ”になりましたら幸いです。