群青色（ぐんじょういろ）は、深みのある青にわずかな紫みを帯びた、気品ある色味です。
美術作品、インテリア、ファッション、デザインなど多方面で使われるこの色は、正確に作るのが少し難しいと感じる人も多いでしょう。
しかし、混色の基本と応用テクニックを押さえれば、誰でも美しい群青色を再現できます。
この記事では、群青色の基礎知識から色鉛筆・水彩・絵の具での実践的な作り方、さらには色の調整方法まで、詳しく紹介します。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
群青色の魅力と用途
群青色の基本的な特徴
群青色は、青系統の中でも特に深みがあり、わずかに紫みを帯びているのが特徴です。
色彩心理学では「誠実」「知性」「高貴さ」を象徴するとされ、落ち着きと品格を演出します。
かつては天然のラピスラズリから抽出される「ウルトラマリンブルー」として珍重され、現在では合成顔料として手に入りやすくなりましたが、その存在感は変わりません。
群青色が使われる場面
群青色は、美術作品はもちろん、デザイン・建築・和装・インテリアなど幅広い分野で重宝されます。
背景に使えば静けさや奥行きを演出し、アクセントに使えば対象物を引き締めてくれます。
特に、日本画や伝統工芸、書道の装丁などでは、深くて上品な青として高い人気を誇ります。
群青色の作り方
群青色の基本的な混色方法
群青色を再現するための基本的な混色は、「青＋赤（または紫）」です。
ただし、単純に混ぜるのではなく、青を主成分として、赤や紫をほんの少量ずつ加えるのがコツです。
具体的には、「ウルトラマリンブルー」や「コバルトブルー」に「カーマイン」や「マゼンタ」を1滴加える程度で、群青色のニュアンスが生まれます。
色鉛筆を使った群青色の作り方
色鉛筆の場合は混色が難しいと感じるかもしれませんが、重ね塗りで群青色を表現することが可能です。
まず、「青（紺碧系）」をベースに塗り、その上から「紫」や「赤紫」を軽く重ねます。
さらに、光沢や深みを加えたい場合は、黒を極少量で重ねてみましょう。
芯の硬さや塗り圧の違いによっても印象が変わるので、紙と鉛筆の相性も試しながら調整してくださいね。
水彩での群青色作り：必要な絵の具
水彩絵の具では「ウルトラマリンブルー」を基調にすると、群青色が再現しやすくなります。
以下の組み合わせが効果的です。
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ウルトラマリンブルー（主色）
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バイオレットまたはカーマイン（少量）
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必要に応じてセピアまたはブラックで深みを調整
ここでも比率が重要で、青を7〜8割とし、赤や紫を2〜3割程度加えるのが一般的です。
絵の具は乾くと色味が若干変わるため、乾燥後の発色も確認しながら調整しましょう。
混色の比率と調整ポイント
群青色の混色において、もっとも重要なのが「少しずつ加える」ことです。
赤や紫を入れすぎるとワイン色寄りになり、逆に少なすぎると単なる青になります。
理想的な比率は以下のような感覚です。
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青（ベース）：80%
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紫または赤：15%
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黒（必要に応じて）：5%
最初は少なめに混ぜ、様子を見ながら微調整することが、失敗を避けるポイントです。
黒色や藍色との組み合わせ
群青色をさらに深くしたい場合は、黒色や藍色を微量加えるのも有効です。
ただし、黒は彩度を落とすため、加えすぎると「くすみ」に繋がります。
藍色（インディゴ）を少量混ぜると、より日本的な深い青になりますが、やや暗めに寄るので、光源とのバランスも考慮しましょう。
群青色の調整と表現方法
群青色をより鮮やかにする方法
群青色を鮮やかに見せたい場合は、「補色対比」を活かすのが効果的です。
たとえば、背景や隣接する色に黄色やオレンジを配置することで、群青色がより引き立ちます。
また、光を感じる場所には白を加えて明度を上げると、透明感が際立ちます。
水色や青色とのミキシングテクニック
群青色に水色や明るい青を混ぜると、少しやわらかい印象になります。
これは空や水面を描く際に便利で、グラデーションを作る際にも役立ちます。
水彩ならウェット・オン・ウェット技法で滑らかに変化を付け、アクリルなら中間色を挟んで滑らかに繋げるのがコツです。
茶色や黄色で温かみを加える
意外に思われるかもしれませんが、群青色に茶色や黄色をほんの少量加えることで、冷たさを抑えて温かみを帯びた色に変化します。
これは古典絵画などで「空気遠近法」を用いる際に多く見られる技法で、群青色が自然に馴染むようになります。
建物や影などの描写にも応用できるため、試してみる価値があります。
まとめ
群青色は、単なる「青」では表現できない奥深い色彩です。
その魅力を引き出すには、基本の混色に加えて、繊細な調整や用途に応じた応用が欠かせません。
色鉛筆、水彩、アクリルなど、使用する画材によってアプローチは異なりますが、共通して言えるのは「少しずつ調整する」こと。
混色比率を守りながら、自分だけの理想の群青色を探求してみてくださいね。
あなたの作品が、一層彩り豊かになりましたら嬉しいです。
