肌色は人物画やイラスト制作において重要な色のひとつです。
しかし市販の「肌色」だけでは表現の幅が限られてしまうこともあります。
そこでこの記事では、基本の色を使って自分好みの肌色を調合する方法を紹介します。
三原色の混色や色の割合、アクリル・水彩の違いまで、幅広く解説していきます。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
肌色の作り方の基本
三原色を使った肌色の作り方
肌色は、赤・黄・青の三原色から作ることができます。
基本となるのは以下の組み合わせです。
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赤:カドミウムレッド、バーミリオンなど
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黄:カドミウムイエロー、オーカーなど
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青:ウルトラマリン、セルリアンブルーなど
まずは赤と黄を混ぜてオレンジを作り、そこにほんの少し青を加えることで落ち着いたトーンになります。
青が多すぎるとグレーやくすみ色になってしまうので注意しましょう。
色の割合について
肌色を自然に見せるためには、赤:黄:青=4:3:少量の割合がひとつの目安です。
具体的には以下のような比率がよく使われます。
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カドミウムレッド:40%
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カドミウムイエロー:30%
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ウルトラマリンブルー:5〜10%
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白(必要に応じて):20〜30%
割合は目安であり、人物の肌の色やライティングによって微調整が必要です。
簡単な肌色の調整方法
肌の赤みを増やしたい場合は赤やピンクを加え、日焼けした肌を表現したい場合は茶色やオレンジを足すと自然な仕上がりになります。
色を暗くしたい場合は、黒ではなく「補色(緑や青)」を少しずつ加えると深みのあるトーンになりますよ。
初心者向けの混色テクニック
初心者におすすめなのは、まず少量でテストしてから本番に移ること。
パレットの端に小さく色を混ぜながら、理想の色に近づけていくと失敗が減ります。
スポイトツールやメモを活用して、気に入った色の割合を記録しておくと再現性が高まります。
薄い肌色の作り方
白を使わない薄い肌色の作り方
白を加えることで肌色は薄くなりますが、透明感や柔らかさが失われることがあります。
その場合は、黄やオレンジに水やメディウムを加えて薄める方法がおすすめです。
透明感を出すための調整
透明感を出すには、彩度を保ちながら薄く塗るのがポイント。
肌色に微量の紫や青みを加えることで、血色や陰影のリアリティが出ます。頬やまぶた、首筋などに活用すると効果的です。
薄い肌色の部分表現法
光が当たる部分は肌色に白を加えるのではなく、周囲を暗くすることで明るく見せる方法も有効です。
特に水彩画では、塗り残しを活かして白を表現するテクニックが重要になりますよ。
アクリル絵の具での肌色表現
アクリル絵の具の特徴
アクリル絵の具は発色が鮮やかで、乾燥が速いのが特徴です。
耐水性があるため、重ね塗りやテクスチャーの表現にも向いています。
オレンジ・黄色・茶色の混色
アクリルでは、あらかじめオレンジや茶色を用意しておき、それに黄色を足すことで自然な肌色が作れます。
茶色はバーントアンバーやローシェンナが使いやすく、落ち着いたトーンが出しやすいです。
パレットでの調整法
アクリルはすぐに乾くため、調整はスピーディに。
混色する量を少なめにし、必要に応じてジェルメディウムで乾燥を遅らせるのもおすすめです。
水彩を用いた肌色作り
水彩画での色の混ぜ方
水彩では、色を紙の上で重ねる「グレージング」が重要です。
一度に理想の色を出すのではなく、薄い肌色を何層にも重ねて仕上げることで、深みが生まれます。
表現力豊かな肌色を作るために
肌は一色ではありません。
頬や耳、指先などには赤みを加え、陰影部分には青や紫をうっすら重ねることで、生き生きとした表情が生まれます。
水彩特有の透明感を意識した混色
水彩の透明感を活かすために、絵の具は薄めに溶いて何度も重ねるのがコツ。
にじみやぼかしも利用して、自然なグラデーションを意識しましょう。
肌色作りの応用
小学生にもできる肌色の表現方法
小学生や初心者には、市販の肌色に黄色や赤を少し混ぜるだけでも十分なバリエーションが出せます。
混色の練習には、色鉛筆や水彩での簡単なパレット遊びもおすすめです。
肌色の作り方注意点
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黒を混ぜすぎると汚れた印象になる
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絵の具の種類で発色が大きく異なる
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一度に大量に作らず、その都度調整する方が自然な色に仕上がる
まとめ
肌色の調合は難しそうに見えて、実は基本の色と割合を理解すれば誰でも可能です。
赤・黄・青の三原色に白を加える基本から始め、アクリルや水彩、薄い色の工夫などで表現の幅を広げましょう。
少しずつ試しながら、自分だけの肌色バリエーションを作ってみてくださいね。
この記事が、調合の参考になりましたら幸いです。