剣道で試合の流れを握るためには、相手との距離「間合い」を制することが鍵となります。
この記事では、剣道における間合いの種類やその使い方、間合いを活かした攻め方や勝利を手にするための実践的な練習法を詳しく解説します。
間合いの基本を知ることの強さ
剣道に限らず、どんなことも基本がベースにないことには応用も効きません。
「間合い」とは、相手との距離のことで、その距離によって呼び方が変わります。
基本は3つ
- 一足一刀の間
- 近間
- 遠間
自分と相手の距離が遠ければ打たれることはありませんが、当然、自分も打てなくなります。こういった「距離」を考え、その感覚を身体が覚えることで攻めにも守りにも役立ち、体格差のある相手とも立ち合えるようになります。
間合いの種類と重要性
剣道において自分と相手の距離感は大切で、この距離が勝敗を大きく左右します。相手との距離を適切に把握することで、試合での主導権を握ることが可能になるのです。
一足一刀の間合
文字通り、「一歩踏み込めば攻撃が届く」基本的な間合いです。攻撃のタイミングを見極め、即座に動き出せるような身のこなしが求められます。
人によって一歩の幅は違いますし、自分の間合いがあるので、この「一足一刀の間合い」はそれぞれ違うものですが、この間合いに入れればあとはどれだけ早く打てるかになります。
近間
相手との距離が近く、すぐに攻撃を仕掛けられる状態です。一足一刀の間合いよりも近いということになります。
お互いに攻め込んで一気に間が詰まったときなどがこの状態になります。腕を伸ばすだけで、打突できる体勢ですので、相手に隙を与えない攻撃が求められ、防御を意識した攻めが必須となります。
遠間
遠い間合いで、相手の攻撃が届きにくい状態を指します。一足一刀の間合いよりも遠い距離です。
立ち合いの最初に技が出て、一旦離れたときなどが、この状態になります。相手の動きを見極め、反撃のチャンスを狙う戦法が有効です。
触刃(しょくじん)の間合い
竹刀がわずかに触れ合うデリケートな間合いです。
この状態では相手の隙を瞬時に突く鋭い集中力が求められます。また、逆に自分のわずかな油断や隙が、相手に突かれる原因にもなります。
当人の距離というよりは、試合を見ている第三者が使うことの方が多い言葉かもしれませんね。
間合いの効果的な攻略方法
間合いの駆け引き
相手が攻撃を仕掛けやすい距離を避け、反対に自分が有利になる距離に引き込みます。距離の調整を細かく行うことで、相手のペースを崩し、こちらが有利な立ち回りを展開できます。
間合いを詰めるテクニック
前足を踏み込み、送り足で相手との距離を縮める「引き足」を活用し、攻撃を避けつつ間合いを詰めます。相手の反応を引き出すことで、自分の攻撃チャンスを作り出しましょう。
間合いを盗む技術
相手の攻撃直後に間合いを詰めて有利な位置を確保するテクニックです。間合いを制するためには、相手の動きを先読みする観察力が重要です。
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間合いの練習法
間合い感覚を磨くためには、次の練習方法が効果的です。
- 前進・後退練習
距離を一定に保ちながら前進・後退することで、間合いの基礎を身に着けます。
- 打ち込み練習
相手の動きに応じて間合いを変え、最も有利な間合いを探ることで試合に活かせる距離感を習得します。
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勝利を掴むためのポイント
剣道では、相手との駆け引きが試合の要です。間合いを見極めて自らの有利な位置に持ち込むことで、攻撃の成功率を高め、防御のリスクを減らすことができます。
そのためには、闇雲に練習するよりも効率的な日々の練習が欠かせません。自分の間合いを知るため、把握するための練習や稽古に取り組みましょう。身長、脚力によっても変わってくるものですので、まずは自分の現状を知り、試行錯誤しながら「自分の間合い」感覚を身につけましょう。
剣道の極意は、この間合いを完全に自分のものにすること。間合いを活かして勝利を掴むため、ぜひこれらの練習を取り入れて自身を成長させ、相手との距離を制しましょう。