年賀状は日本の伝統的な年始の挨拶として親しい人々に送られるものですが、最近では終活やはがき代の値上げを背景に、年賀状を送るのをやめる「年賀状じまい」を選ぶ人が増えています。しかし、長年溜まってきた古い年賀状を処分する際には、ゴミとして分別するのが適切なのか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。
年賀状には送り主や受け取り主の個人情報が含まれており、そのまま捨てるのは不安ですし、思い入れのある年賀状を単なるゴミとして捨てることに抵抗を感じる人もいるかもしれません。
この記事では、年賀状を正しく処分する方法や罪悪感を感じずに手放すための手段、そして長期間保管する方法をわかりやすく解説します。
年賀状を処分する際の分別方法
古い年賀状を捨てる場合、基本的には「燃えるゴミ」として自治体のゴミ収集に出すことができます。しかし、年賀状には住所や氏名、写真などが記載されているため、個人情報が流出しないよう、細心の注意を払う必要があります。シュレッダーにかける、ハサミで細かく切る、黒いペンで塗りつぶすなど、個人情報が見えないように処理してからゴミとして出すのが最も一般的な方法です。
一方で、年賀状を「古紙」としてリサイクルすることも可能です。古紙としてリサイクルに出す際も、個人情報を守るために同じような処理を行ってから分別しましょう。リサイクルセンターに持ち込むか、自治体の古紙回収日に合わせて出すのが環境に優しい方法です。
神社のお焚き上げへ
年賀状をただゴミとして処分するのに抵抗がある場合、神社のお焚き上げを利用することもできます。お焚き上げとは、思い出の詰まった品物を火で燃やして天に返す日本の伝統的な供養方法で、神社やお寺で行われます。特に、過去に亡くなった人からもらった年賀状などは、単なるゴミとして捨てるのが難しいと感じることもあるでしょう。
一部の神社では、郵送で年賀状を送るだけでお焚き上げを行ってもらえるサービスもあります。専用の封筒に年賀状を入れて送るだけで、供養していただけ、お焚き上げが行われます。このような方法を利用することで、大切な思い出を適切に処分でき、罪悪感を軽減することができます。
お焚き上げにかかる費用は、寺社によって異なりますが、年賀状数枚で1,000〜5,000円程度が一般的です。郵送でのお焚き上げを行っている神社もあるため、持ち込みが難しい場合でも依頼できるのが便利です。ただし、寺社によっては年賀状を受け付けていない場合もあるため、事前に確認することが重要です。
「どんど焼き」での処分
正月飾りやお守りを処分する際に行われる「どんど焼き」に年賀状を持ち込むという方法もあります。どんど焼きは、毎年小正月(1月15日頃)に神社やお寺の境内や河川敷などで行われる伝統行事で、古い正月飾りやお札を火で燃やして供養する儀式です。多くの場合、参加費は無料で、年賀状を焚き上げてもらうことができます。
ただし、どんど焼きの本来の目的は正月飾りの供養であるため、年賀状を受け付けていない神社やお寺もあります。年賀状を持ち込む前に、必ず開催する神社やお寺に問い合わせて確認しましょう。また、どんど焼きは多くの人が参加する行事のため、個人情報が漏れないように年賀状を処理してから持ち込むことが重要です。
未使用・書き損じた年賀状の再利用方法
もし未使用の年賀状が手元にある場合、郵便局で新しい切手やはがきに交換することができます。手数料は1枚あたり5円かかりますが、交換可能です。また、書き損じた年賀状も同様の手数料で交換でき、再利用の道が開かれています。新しい年賀状に交換して、翌年の年賀状として利用するのも一つの方法です。
交換には手数料が発生しますが、現金または未使用の切手で支払うことができます。
年賀状の保管方法と保存期間
年賀状を捨てることに抵抗がある方は、適切に保管することで思い出として保存することも可能です。しかし、年賀状は紙でできており、湿気やカビの影響を受けやすいことから、保管場所には注意が必要です。特に特別な思い入れのある年賀状を保存したい場合は、専用のファイルに入れて湿気の少ない場所で保管すると良いでしょう。
また、年賀状の保存期間について明確なルールはありませんが、2〜3年間を目安に保管している人が多いようです。年始に新しい年賀状が届いた際、古いものを整理するルーティンを取り入れると、整理整頓がスムーズに進みます。
長期的に保存したい年賀状は、スキャンしてデータ化する方法もあります。デジタルデータにしておけば、保管スペースの心配が不要で、いつでも簡単に思い出を振り返ることができます。
まとめ
年賀状は大切な思い出が詰まったものであり、処分するのに躊躇することもあるでしょう。しかし、適切な方法で処分すれば罪悪感を感じることなく手放すことができます。
燃えるゴミとして捨てる、リサイクルに出す、神社でお焚き上げを依頼するなど、状況に応じた方法を選ぶといいと思います。また、保存が必要な年賀状はファイルやデータ化で管理し、大切な思い出を残していくことができますね。